Eligible

Eligibleは、Jane Austineの名作「Pride and Prejudice」をアメリカのOhaioを舞台に現在風にした話です。もう何百個とある現代版(modern retelling)ですが、今回のこれは面白かったです。

まず4姉妹の設定。主人公は次女のLiz。30代で、NYで雑誌のライターをして、あきらかにダメな感じの不倫をズルズルしています。長女のJaneはヨーガのインストラクター。Janeは、自分の年齢を考え出会いを探すより、ドナーを見つけて人工授精を選ぶような現実的な女性です。二人の年齢設定は、原作より20歳近く上になっています。2人は父親の病気でNYから故郷のCincinnatiに戻ります。家には、にぎやかな母と年の離れた妹たち3人。いつもの帰省と違い、突然の帰宅で改めて我が家を見てみると、管理が十分ではなく朽ちていくだけの印象を受け、年老いていく両親と合わせて家のことも心配になってきます。

父親の症状も落ち着き、もうNYに戻ろうとした矢先、本家のPride and Prejudiceと同じように、 母親のMrs. Bennetがお金持ちの独身男性が町にやってくるというニュースを持ってきます。もちろん、彼の名前はBingley。Pride and Prejudiceと同じように(笑)、Mr Bingleyはハンサム。でも現代版のBingleyはそれだけではありません。ハンサムで職業はお医者さん、そしてreality TV”Eligible”の前シリーズの主人公。Eligibleは、お金持ちの独身男性の花嫁探し番組で、くだらないけどみんなが見ていたという設定のようです。そんな有名人がこの町にきて、しかもまだ独身。もうMrs. Bennetが興奮しない訳がない!そして、その場にはもちろんハンサムで尊大な感じのDarcyがいて、LizのDarcyに対する第一印象は最悪です。

現代版のMrs. Bennetは原作に負けず劣らず浅薄で読んでいてイライラします。しかも、偏見に満ちていて、偏った情報に踊らされた女性。原作のMrs. Bennetも読んでいてイライラするのですが、BBC版のMrs. Bennet を演じたAlison Steadmanはすごかった。Mrs. Bennetの浅薄な言動をチャーミングに演じて愛らしい人物に仕上げていました。

お話は誰が誰とくつっくのか大筋は想定できる範囲ですが、今風に仕上がっていて読んでいて楽しかったです。あの人の職業がこの話ではこんな風に!あの人が、あの人と駆け落ち?など、元ネタと比べながら楽しめるのが、こういう話の良さで、特に今回は、家族の老いや家の老朽化など、家から離れている娘には身につまされる話がちりばめられていて、私が共感できるところが多くありました。

Eligible
By Curtis Sittenfeld

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Enchanted, Inc.

Enchanted, Inc. シリーズとして続いています。1作目から続けて3作目まで読みました。

テキサスの小さな町からNYにやってきたKatieは、住み始めて1年たっても大都市NYに慣れません。おかしな格好をした人々が歩き回っていて、ギョッとしても、他の人達は何事もなかったように通り過ぎていきます。

そんなKatieを見つけたのがMSI社の人事部。Katieの特殊能力を活かして、自分たちの会社に転職しないかと、話しかけてきます。実は、MSI社の正式名は、Magic, Spells, and Illusions, Inc.,。会社名から想像できる通り、魔法を扱う会社。魔法は実際に存在していて、Katieが見えているおかしな人たちは妖精など魔法界の人達で、普通の人たちには見えないように魔法をかけているけど、Katieの魔法が全く効かないという特殊能力のおかげで、Katieには見えてしまうのだ、と説明してもらいます。

魔法が見えないKatieがMSI社で、どんな仕事をするのか。魔法にとらわれない目は、魔法界ではとても重要。魔法によって、書類が脚色されていたり、人が惑わされたりしているのを、魔法が効かないKatieには見破ることができます。競争企業の出現に社内があたふたしている中で、Katieは、マーケティングという実世界では当たり前で魔法界では新鮮な手法を提案したり、自分のできることをドントン増やしていきます。

仕事にも慣れ、次は恋愛と思っても、普通過ぎるKatieはいつも妹みたいと言われ、それ以上の関係に進めず、しかも、妖精や魔法でカエルになっていた男性の妨害まででてきて、益々Katieの恋愛が難しくなっていきます。初めて会ったときから気になるOwenは、どう考えてもKatieを「社内で一番話しやすい女の子」以上の位置にあげてくれそうもなく、諦めるしかなさそう。

面白い話なのですが、なにかが足りない。悪い人も悪い人に徹していない気がして、緊迫感があまり感じられないし、恋愛面でも、Katieがドキドキする場面があまりなくて、どうしてその人を好きになるのかが納得できなかったり、魔法界とKatieのからみももっと面白くできるのではないかな、と読んでいて感じます。読み進めたら面白みが増すかと思い、2作目Once Upon Stilettos、3作目Damsel Under Stressと読んだのですが、うーん、何かが足りない感はそのままです。

Enchanted, Inc.

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The Hating Game

会社に嫌いな人がいます。毎日向かい合わせで座り、お互いの仕事をライバル視しながら口を開けば嫌みの応酬。

LucyとJoshは2社の合併に伴う共同経営の出版社で、CEOのアシスタントをしています。Lucyは人間味がなくブルドーザーのように仕事をするJoshにイライラし、Joshは誰にでもいい顔をしようとするLucyにイライラ。2人はしょっちゅう口喧嘩になり、人事部にお互いの文句を言う会社公認の犬猿の仲。そんな二人が実は、嫌いあっているわけではなかったら?

オーストラリア人のSally Thorneのデビュー作。400ページ近い本でしたが、中だるみなく最後まで楽しく読めました。昇進をかけて2人の関係が変わって行くところや、Joshの家族との関係などが上手に入っていて、スイスイと読み終わり、もう少し2人の会話を聞いていたかったなぁ、と余韻が残っています。Amazon.comでも、sweetとかromanticというレビューが多く評価高いです。

丁々発止なときも甘い感じになったときも2人の会話はポンポンはじけていて読んでいて楽しいし、対照的な2人の性格も魅力的に描かれています。特に、人間味が全くない感じで描かれていたJoshがどんどんステキになって、これは日本語でいうツンデレキャラだ!と途中で納得。ツンデレな感じが好きな人にはドキドキのキャラです。

お話の中で度々2人がする「Truth or Dare」というゲームは、二人または複数でやるパーティーゲームの1つで、指名された人が「Truth」もしくは「Dare」を選び、「Truth」を選べば、どんな質問に対しても正直に答え、「Dare」を選べば、相手から指示された内容を実行するというもので、英語圏では、子どもの時からよくやるゲームです。大人になっても、飲み会などで、Truthを選ばずDareを選んで、テキーラのショットを一気飲み、なんてことがあって盛り上がります。

The Hating Game
By Sally Thorne

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Restoration

小説を読むとき、「もし自分だったらどうするだろう」と考えることがあって、
ありえない状況に置かれたときのこと想像するのだけど、今回は自分の恋人が死んでしまった女性Graceが主人公。

消防士の仕事中に死んでしまった彼氏John。夢でJohnに逢って目が覚めてを毎日繰り返すこと1年。心機一転、アメリカからイギリスに移動し、新しい気持ちで始めようと切り替えたのに、Johnとビックリするくらいソックリな男性Drewと出会ってしまったら、それは彼女にとって幸運なことなのでしょうか。

もう二度と会えない死んだはずの彼氏が目の前にいて、動いていて、名前を呼ばれたら、どんな感情がGraceの中で巻き起こるでしょう。

そして、Drewも、自分の好きにな女性が、じつは自分とソックリな男性と付き合っていて、しかもその彼氏はもう死んでしまった、という状況を受け入れることができるでしょうか。自分と死んだ彼氏を比べているのでは?自分が、死んだ彼氏とソックリだから、彼女は自分を好きになったのだろうか?など、なかなか納得できない気持ちが渦巻くでしょう。

読んでいて複雑な気分でした。

タイトルのRestorationは日本語にすると「復元、回復、修復」。このタイトルにはいくつかの意味が絡んでいて、Graceの仕事は、古い建築物の復元することだし、故人を悼む気持ちからGraceが回復する意味もあり、新たな関係をうまく構築できないGraceとDrewの関係の修復、と物語を通して絡んでいます。

Restoration; A Golden Beach Novel
By Kim Laraine

下の本も読みました。

Waking up Married
By Mira Lyn Kelly

In serach of a love story
By Rachel Schuring

Legally Yours
By Nicole French

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Remedial Rocket Science

うん、面白かった!読み終わってスッキリ感と楽しい気分があり、久しぶりに読み終わってすぐにもう一度読み直しました。

MITの学生だったMelodyは、クラブでJeremyに助けてもらいます。旅行でボストンにきたJermeyと,そのまま意気投合し一晩をすごします。二人とも後腐れなく、またもしJeremeyがボストンに来たら、もしMelodyがLAに来たら会おうと連絡先の交換をしますが、お互いにそれはただの別れのあいさつ程度。でも、就職を控えLAへの移住を考えたMelodyは、出会ってから3年後、Jeremyに連絡を取ります。そこから再び物語が始まります。

一晩であっという間に読み終わってしまったのは、主人公MelodyとJermeyの進展が気になってぐいぐい読んでしまったからです。真面目なMelodyと、お金持ちで目標もなくふらふらしていたJermey。全く共通点がないけど、友達として助け合い、良いところも弱い所もお互いに知ることで二人の関係が変わっていくのが読んでいて面白かったし、誰も知り合いのいない土地で仕事や生活を始めるMelodyの気持ちも共感できたし、Jeremyがかっこいいはずなのに微妙に外していて情けないところが新鮮でよかったです。

気持ちがどんよりしてるとき、楽しくなる小説読むと、よし、頑張ろうという気になるのですが、この本はそんな気分にさせてくれました。

Remedial Rocket Science: A Romantic Comedy
By Susannah Nix

★ 一応読んだ本

– Teach Me

– Craving

– The Third Son: A Fantasy Historical Romance

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China Rich Girlfriend

1作目に引き続き2作目。Crazy Rich Asiansで、桁違いのお金持ちの世界を覗き見た気分でドキドキしましたが、今回もそんな感じです。

今回は、1作目から2年たった設定。結婚式が近いRachealとNick。小説のような(小説ですが)素敵なプロポーズから、結婚に向けて幸せそうな二人が描かれています。まだ、Nickの家族と和解していないようです。Rachealに対する母や祖母の態度に激怒しているNickは、いまだに母親からの電話にはでず、結婚することについても連絡していません。内緒にするはずだったのに、そこは無敵の華僑ネットワーク。いつの間にか母親にばれてしまい、結婚式前日に乗り込んでこられて、さぁ、どうなる?

1作目に負けず劣らず、怒涛のように複数の家族と人物が出てきます。前作でサブキャラだった家族が深く取り上げられたり、おなじみの家族がでてきたり。そして新たな家族のドタバタにもRachealとNickは翻弄されます。もうみんなが突拍子もない性格で、でもそれが人間味でています。

今回の主要舞台が上海で、中国のお金持ち家族が複数登場します。シンガポールのお金持ち(Nickの家族のようなold money)は何世代もかけて熟成してきた感がありますが、中国のお金持ちは、1代でとんでもない規模にまでのし上がってきた家族ばかり。のし上がってきた親世代と、親のお金で贅沢を当たり前のように享受してきた子ども世代の価値観の違いが今回は光っています。例えば、娘が父親の食事の仕方に文句を言っている箇所は、どこの国でもあてはまるのではないでしょうか。階級が歴然と存在するイギリスでも、労働階級の親が、子どもが大学に行ってmiddle classの仲間入りすると、そこに食事の仕方、生活習慣(見るテレビ番組、飲酒の仕方など)で違いが生じます。階級の感覚が薄い(総中流階級だと自負している)日本だと、そのことを子どもが成功した印と喜ぶ思う親も多いでしょうが、イギリスではそれが嫌だから、子どもの学歴が高くなるのを邪魔する親も存在するそうです。また、イギリスではお金もちだからupperというわけではありませんが、この話に描かれている中国(香港ではなく、特に大陸側の中国)は、お金の力で階級が決まっている感があります。中国は、お金持ちの子息の海外移住・留学は当たり前なので、親子間の考え方・生活習慣の格差は、結構深刻なのではないでしょうか。作者はシンガポール出身なのに、相変わらず色々な経済環境・世代の人たちの気持ちに詳しい。詳しすぎる。彼のネットワークの広さに驚嘆します。作者に会って、作成秘話などのお話を聞いてみたいです。

私の好きなキャラクターは前回に続き、まだ幸せになれません。3作目では、彼女はどうなるのか。読み始めると止まらないので、平日は購入我慢します。

China Rich Girlfriend

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Crazy Rich Asians

もうすぐ映画になるという話題に乗ったというより、whitewashされそうになったというニュースに興味をもって読んだら、面白い面白い。主人公を白人の女の子に設定を変えよう(whitewash)とした人達は、作者がいうようにこの本の意図や面白味が全く分かっていないと思います。

赤ん坊の頃に中国からアメリカに移住したRachelは、シンガポールからやってきた Nicholasと付き合って2年目。夏休みに彼の誘いに乗ってシンガポールに行ってみたら、彼の家は、実はシンガポールで指折りの名家だった!

この話の面白い所は、怒涛のように繰り広げられる複数の家族の悲喜劇と様々な中国人の背景が絡んでいるところです。中国人、シンガポール人、華僑といっても一括りにはできません。ABC (アメリカで生まれた中国人、American- born Chinese)に対するアメリカ以外の華僑の人達、台湾人・中国人に対するシンガポール人、中国・シンガポール人に対するアメリカナイズされた中国系アメリカ人、大陸の中国人と香港人・シンガポール人、それから同じ富裕層のシンガポール人でもold moneyとnew moneyとの違いとか、祖先が中国のどこからやってきたかとか、何をしていたかとかとか、世代間とか、括りが多様で要素が入り組んでいます。

最初は、覚え切れない聞きなれない名前の数と複数の家族関係に圧倒されたのですが、慣れたらもう止まりません。最後まで1日で読み切ってしまいました。

作者のKevin Kwanはシンガポールで生まれ育ち現在はアメリカに住んでいるそうで、シンガポールに詳しいとはいえ、どうやってこんなに複数の社会的立場・背景を持っている女性達の心理が描けるのか謎です。 すごいとしか言えない。

そして、シンガポールやNYに住んだことがある人には、行ったことのある場所が話の中で散らばっており、リアリティがかなりあり楽しめます。こんなにシンガポール、シンガポールした話がハリウッドで映画になるなんて、実際の画像をみるのが楽しみでなりません。配役もBBC の旅行番組でおなじみのHenry Golding がNick役なんです。彼はマレーシアとイギリスのミックス。イギリス英語を話すシンガポール人のNick役ははまりすぎ。映画も楽しみです。
Crazy Rich Asians
By Kevin Kwan

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